コラム
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私は、「ハレとケ」という言葉がとても面白いなと思っています。 皆さんは、この言葉をご存じでしょうか。
「ハレとケ」とは、日本人が古くから持ってきた世界観の一つです。 民俗学では、「ハレ」は祭りや年中行事、結婚式などの人生における特別な日、つまり「非日常」を意味します。一方で、「ケ」は普段の暮らし、何気ない毎日、つまり「日常」を意味します。
私たちは、どうしても「ハレ」の日を大切に考えます。 結婚式、卒業式、旅行、家族のお祝い、久しぶりの再会。 そんな特別な日は、人生の思い出として心に残ります。
でも、「ハレとケ」という考え方を知ったとき、私はふとこんなことを思いました。 本当に大切なのは、「ハレ」ではなく、「ケ」なのではないか。
特別な一日は、毎日の積み重ねがあってこそ輝きます。
毎日、美味しくご飯を食べられること。 家族と食卓を囲み、笑い合えること。 友人と楽しく会話ができること。
そんな当たり前の日常があるからこそ、「ハレ」の日はより特別なものになります。
実は、この考え方は歯科医療にも通じるように思いました。
虫歯や歯周病で痛みが出たり、好きなものを食べられなくなったりすることは、健やかな日常が失われた状態です。戦後の民俗学では、「ケガレ」を「気枯れ」、つまり「ケ」が失われた状態として捉える考え方が示されています。
歯科医療も同じではないでしょうか。私たちは治療によって、その失われた日常を取り戻します。
しかし、治療の本当の目的は、歯を削ったり、詰めたりすることではありません。 健やかな「ケ」を取り戻すこと。そして、その「ケ」を守り続けることです。
毎日の歯磨き。 食生活への少しの意識。 定期的なメインテナンス。
そうした何気ない積み重ねが、健康な日常を支えます。
そして、その先にあるのが、人生の「ハレ」です。
結婚式で思い切り笑えること。 旅行先で美味しい料理を楽しめること。 お孫さんと同じ食卓を囲めること。 100歳になっても、自分の歯で美味しく食事ができること。
私たち歯科医療者の仕事は、歯を治すことだけではありません。 その人の「ケ」を取り戻し、「ケ」を守り、その先にある人生の「ハレ」を支えることなのだと思っています。
だから私は、「ハレとケ」という言葉が面白い言葉だと思ってます。
日々(ケ)の健康を守り、人生のハレの日を笑顔で迎えるために。 そんな歯科医療を、これからも大切にしていきたいと思います。
院長 齋藤 孝平
「毎日しっかり歯を磨いているのに、むし歯になった」
「定期的に歯科医院でクリーニングを受けているのに、歯周病と言われた」
そのような経験はありませんか?
実は、むし歯や歯周病は歯磨きだけで防げる病気ではありません。
もちろん歯磨きはとても大切です。しかし、病気が起こる背景には、
など、多くの要因が関係しています。
例えば、毎日丁寧に歯を磨いていても、間食の回数が多ければ歯は何度も酸にさらされ、むし歯になりやすくなります。また、歯周病は細菌だけでなく、喫煙や糖尿病、ストレスなどの影響も受ける病気です。
つまり、むし歯や歯周病は「歯磨きが足りないからなる病気」ではなく、さまざまな要因が重なって起こる病気なのです。
当院では、お口の中だけを診るのではなく、「なぜその病気になったのか」という原因を大切にしています。
歯を磨くことは予防のスタートです。しかし、本当の予防とは、病気の原因を知り、それを改善していくことだと考えています。
だからこそ当院では、患者さん一人ひとりの生活習慣やお口の特徴に合わせて、10年後、20年後も健康なお口を維持するためのサポートを行っています。
院長 齋藤 孝平