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「ハレ」と「ケ」(2026/08/01)

私は、「ハレとケ」という言葉がとても面白いなと思っています。 皆さんは、この言葉をご存じでしょうか。

「ハレとケ」とは、日本人が古くから持ってきた世界観の一つです。 民俗学では、「ハレ」は祭りや年中行事、結婚式などの人生における特別な日、つまり「非日常」を意味します。一方で、「ケ」は普段の暮らし、何気ない毎日、つまり「日常」を意味します。

私たちは、どうしても「ハレ」の日を大切に考えます。 結婚式、卒業式、旅行、家族のお祝い、久しぶりの再会。 そんな特別な日は、人生の思い出として心に残ります。

でも、「ハレとケ」という考え方を知ったとき、私はふとこんなことを思いました。 本当に大切なのは、「ハレ」ではなく、「ケ」なのではないか。

日常の積み重ねが、特別な一日を輝かせる

特別な一日は、毎日の積み重ねがあってこそ輝きます。

毎日、美味しくご飯を食べられること。 家族と食卓を囲み、笑い合えること。 友人と楽しく会話ができること。

そんな当たり前の日常があるからこそ、「ハレ」の日はより特別なものになります。

歯科医療にも通じる「ハレとケ」

実は、この考え方は歯科医療にも通じるように思いました。

虫歯や歯周病で痛みが出たり、好きなものを食べられなくなったりすることは、健やかな日常が失われた状態です。戦後の民俗学では、「ケガレ」を「気枯れ」、つまり「ケ」が失われた状態として捉える考え方が示されています。

歯科医療も同じではないでしょうか。私たちは治療によって、その失われた日常を取り戻します。

しかし、治療の本当の目的は、歯を削ったり、詰めたりすることではありません。 健やかな「ケ」を取り戻すこと。そして、その「ケ」を守り続けることです。

毎日の歯磨き。 食生活への少しの意識。 定期的なメインテナンス。

そうした何気ない積み重ねが、健康な日常を支えます。

その先にある、人生の「ハレ」

そして、その先にあるのが、人生の「ハレ」です。

結婚式で思い切り笑えること。 旅行先で美味しい料理を楽しめること。 お孫さんと同じ食卓を囲めること。 100歳になっても、自分の歯で美味しく食事ができること。

私たち歯科医療者の仕事は、歯を治すことだけではありません。 その人の「ケ」を取り戻し、「ケ」を守り、その先にある人生の「ハレ」を支えることなのだと思っています。

だから私は、「ハレとケ」という言葉が面白い言葉だと思ってます。

日々(ケ)の健康を守り、人生のハレの日を笑顔で迎えるために。 そんな歯科医療を、これからも大切にしていきたいと思います。

院長 齋藤 孝平

センテナリアンって知っていますか?(2026/06/14)

今日参加したセミナーで、「センテナリアン」という言葉を知りました。

センテナリアン(Centenarian)とは、100歳以上の方を意味する言葉です。日本語では「百寿者(ひゃくじゅしゃ)」とも呼ばれます。

厚生労働省の発表によると、日本の100歳以上の方は約10万人に達しようとしています。また、神奈川県内にも5,000人を超えるセンテナリアンが暮らしています。

人生100年時代と言われるようになりましたが、私たちが考えたいのは、

「100歳まで生きること」ではなく、
「100歳になっても美味しく食べられること」

です。

厚生労働省が公表している百寿者の方々の紹介を読んでみると、

「食事は好き嫌いなく三食きちんと摂っています」

「毎日3食きちんと食べ、決まった時間に寝て起きて、毎日を普段通り過ごされています」

といった記載がありました。

もちろん、3食食べれば100歳になれるというわけではありません。しかし、100歳を超えて元気に暮らしている方々の生活からは、「しっかり食べること」の大切さが伝わってきます。

そして、しっかり食べるためには、お口の健康が欠かせません。

歯が痛い、噛めない、入れ歯が合わない――。

そんな状態では、食事を楽しむことも難しくなってしまいます。

歯科医院の仕事は、虫歯や歯周病を治療することだけではありません。

毎日の食事を楽しめること。
好きなものを美味しく食べられること。
家族や友人と食卓を囲めること。

そうした当たり前の日常を守ることも、私たちの大切な役割だと思っています。

当院では、「100歳まで美味しく食べるための歯科医院」を目標に診療を行っています。

今のお口の状態は、10年後、20年後のお口につながっています。

いつの日か、当院に通ってくださっている患者さんの中から、たくさんのセンテナリアンが生まれること。

そして、その方々が100歳になっても自分の口で美味しく食事を楽しんでいること。

そんな未来を目指して、これからも皆さんのお口の健康をサポートしていきたいと思います。

参考資料:
厚生労働省「百歳高齢者等について」

歯を磨いているのになぜ虫歯、歯周病になるのか?(2026/06/13)

歯を磨いているのに、なぜむし歯や歯周病になるのでしょうか?

「毎日しっかり歯を磨いているのに、むし歯になった」
「定期的に歯科医院でクリーニングを受けているのに、歯周病と言われた」

そのような経験はありませんか?

実は、むし歯や歯周病は歯磨きだけで防げる病気ではありません。

もちろん歯磨きはとても大切です。しかし、病気が起こる背景には、

  • 食事や間食の回数
  • 甘い飲み物を飲む習慣
  • 唾液の量や質
  • 歯並びや噛み合わせ
  • 食いしばりや歯ぎしり
  • 喫煙
  • 睡眠やストレス
  • 全身の健康状態

など、多くの要因が関係しています。

例えば、毎日丁寧に歯を磨いていても、間食の回数が多ければ歯は何度も酸にさらされ、むし歯になりやすくなります。また、歯周病は細菌だけでなく、喫煙や糖尿病、ストレスなどの影響も受ける病気です。

つまり、むし歯や歯周病は「歯磨きが足りないからなる病気」ではなく、さまざまな要因が重なって起こる病気なのです。

当院では、お口の中だけを診るのではなく、「なぜその病気になったのか」という原因を大切にしています。

歯を磨くことは予防のスタートです。しかし、本当の予防とは、病気の原因を知り、それを改善していくことだと考えています。

だからこそ当院では、患者さん一人ひとりの生活習慣やお口の特徴に合わせて、10年後、20年後も健康なお口を維持するためのサポートを行っています。

院長 齋藤 孝平